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研究室紹介

心を研究対象としています。人間の心という主観的な現象に対して、認知科学・心理学・脳神経科学等の最先端の方法を使って、心を作り出している意識的・無意識的過程の科学的解明、認知科学のその他の研究分野への拡張、それらの知見の産学連携を通じた社会への還元を目指しています。

私たちが(個人的に)確実なものと信じてるこの世界が、かなり危ういものであるということを綿密な実験によって示すとともに、(それにもかかわらず)私たちのそれなりに安定した日常生活を可能にしているものは何なのかを調べることを基本として、主観的な時空間の歪み、「見ること」と「聞くこと」の相互作用、技がうまくなる理由、無意識的な学習、無意識的なひとまね、無意識的な好み、行動・生体・脳機能測定による認知・注意機能の測定、発達障害に伴う認知機能の変化の研究、「言い訳」の研究なども行っています。

個人の主観的経験という万人に共通する現象を軸に据えることにより、人間の心を真剣に研究するための科学的な立場を維持し、研究分野の枠を積極的に越えるための基盤としての認知科学の展開を目指しています。

渡邊 克巳

所属研究員のメッセージ

女川 亮司

運動がいかにコントロールされているかについて、意思決定の観点から研究しています。運動制御、経済学、心理学の理論を用い、実験室内での運動課題からスポーツ場面での行動選択までを対象として、人の意思決定の普遍的な特徴を検討しています。

小林 麻衣子

研究テーマは「性」です。これまでサルを使って身体的な性発達や交尾行動の研究を行なってきました。渡邊研究室ではヒトを対象に心と体の性発達や性特有の行動特性の研究を進めています。ヒトを対象とした性を研究する中で、ジェンダーやLGBTの問題も取り扱っています。多様な性を尊重できる社会には、心理学者としてどのように貢献できるのか日々考えています。

齊藤 俊樹

印象形成について、実験心理学、神経科学的手法を用いて研究しています。最近では、人が人として見られない現象「非人間化」のメカニズムの解明によって実社会の問題解決を目指しています。普段意識されない「こころ」の働きを明らかにしたいと考えています。

佐良土 晟

私たちは、時間情報を受容するための専用の感覚器官を持っていません。それにも関わらず、時間が流れる感覚は確かに私たちの中に存在しています。このような時間に対する知覚が形成される機序に関心を持ち、実験心理学の手法を用いて研究しています。

白井 理沙子

恐怖症の生起や直観的な道徳判断のメカニズムを探るために、特定の生物やヒトの非道徳的行為に対して生じる嫌悪や恐怖といった情動が情報の取捨選択機能である注意や視覚的気づきにどのように影響しているのか、実験心理学的手法を用いて検討しています。

杉本 海里

ヒトのココロには、円滑に社会生活を営むための優れた機能が備わっている一方で、弱く愚かで客観的合理性に欠ける側面も存在します。認知・判断・行動におけるヒトの脆弱性全般に特に興味をもちつつ、様々なテーマの研究に取り組んでいます。

濱野 友希

運動技能の学習や記憶について主に研究しています。ヒトが経験を通して獲得していく運動技能が、学習の仕方によってどのような影響を受け、どの脳領域にどういった情報として記憶されているのかを、機能的磁気共鳴画像や経頭蓋刺激法を用いて検討しています。

向井 香瑛

他者との「相性」を運動科学・認知科学・心理学などの複合的なアプローチを用いて定量化することに挑戦しています。また「相性」の定量化に留まらず、 よりよい集団にするための介入法の確立も目指しています。

渡辺 謙

選手自身でも気づかないような体や心の変化を見出すため、スポーツやEスポーツ中の人の生理心理状態を計測しています。また、複数人を同時に計測することにより、人と人の相互作用がパフォーマンスに与える影響の解明関係を目指しています。